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Home / 恋愛 / あおい荘にようこそ / 037 困惑

037 困惑

2025-06-20 17:00:23

「直希さん、失礼しますです」

 菜乃花が出てしばらくして、今度はあおいが部屋に入ってきた。

 手には洗面器とタオルが持たれている。

「えーっと、それはつまり……」

「はいです。体を拭かせていただきますです」

 そう言ってにっこり笑うあおいに、直希は諦めた表情で両手を上げた。

「これもその……介助の練習、なのかな」

「え? 何の話ですか?」

「あ、いや、こっちの話」

「ではでは直希さん、座ってもらえますですか」

「了解。よいしょっと」

 さっきと同じく、腹筋に力が入らないのか、うまく起き上がることが出来なかった。

「失礼しますですよ」

 あおいはそう言うと、正面から直希を抱き締めるように腕を回した。

「……あ、あおいちゃん?」

 重量感ある柔らかなふくらみが、直希の胸に密着された。あおいの髪が顔に触れる。

 先ほどの菜乃花の時のように、直希が動揺した。

「では……1、2の3です」

 あおいの掛け声で、直希の上半身が起こされた。

「どうでしたか直希さん。うまく出来ましたですか」

 笑顔のあおいに、直希は視線をそらしながら「う、うん……うまくなったね」そう言った。

「よかったです。これも先生と直希さんのおかげです」

 そう言って嬉しそうに微笑むあおいに、直希はまた見惚れてしまった。

「では直希さん、少しだけ待っててくださいです」

 そう言って台所に向かうと、洗面器にお湯を入れて戻ってきた。

「直希さん、ご自分で脱ぐことは出来ますですか?」

「……あ、ああよかった。自分で脱いでいいんだね」

「え?」

「ああいや、こっちの話。大丈夫、ちょっと待ってね」

 直希が上着を脱いでいる間に、あお

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